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印刷経営研究所のブログ

2024.07.18

会えば会うほど好きになる

お客さまと仲良くなる(親和力を磨く)

 営業マンにとって重要なことは話すことではありません。まずはしっかり聞くことです。しっかり聞くと、お客様は「きちんと話を聞いてくれる人だ」という信頼感を少し持つようになります。これは、人間が持つ「自分のことを大事にしてほしい」という「自己重要感」を満たすことができるからです。逆に、相手のことを気にせずぺらぺらしゃべりまくる営業マンは、お客をないがしろにしているので、失敗する可能性が高くなります。

 さて、お客様が話すことにしっかり耳を傾けていると、相手のことが色々と分かってきます。分かってきたら、自分が興味を持ったことについて質問をしてみてください。質問をすることで、「ちゃんと話を聞いている」ということを相手に伝えることができます。相手の話がますます乗ってくるような良い質問ができれば、さらに相手を喜ばすこともできます。

 
 お客様の話を聞くとき、自分との共通点がないかを探りながら聞くことが大切です。相手の中に自分を見つけた時、つまり自分との共通点があると分かったとき、人間はその人に親近感を抱くようになります。あなたも出身地や出身校が同じ人に出会ったとき、特別な感情が湧き起ることを感じたことがあるはずです。それと同じです。(これを「類似性の原理」と言います)


 出身地や出身校が話題になっときは、ぜひその話を掘り下げてきいてみてください。人間は、自分の幼いときのことやルーツについて話すと、話した相手に対して特別な親近感を抱くようです。普段あまり他人に話すことがないことであり、かつ自分のアイデンティティに関わる重要なことを共有した相手として、特別な存在になれるのです。

何度も接触する


 人事関係の採用コンサルティングをしている知り合いの社長は、かつて求人広告の枠をガンガン売るトップ営業マンでした。常に高い営業成績を達成し、社内でも一目置かれる存在だったそうです。その社長に営業で高い実績を上げるコツを聞くと、こう答えました。

 
「シンプルなことだよ。何回もお客様に会えばいい」
さらに、「何回行っても断られるから、普通の人は行かなくなるんだけど、僕は何度も行った。他の営業マンとの違いと言えば、それくらい」と言っていました。

 
 人間は、会う回数(接触回数)が増えると、相手に好意を持つようになるというのは、ザイエンスの法則と呼ばれ、ビジネス心理学ではよく紹介される人間の習性です。


ザイエンスの法則を要約すると、こんな感じです。

【1】.人は知らない人には攻撃的、冷淡な対応をする
【2】.人は会えば会うほど好意をもつようになる
【3】.人は相手の人間的な側面を知ったとき、より強く相手に好意をもつようになる


 飛び込み訪問が冷たく断られるのは、上記【1】のため。知らない人にいきなり訪問されて暖かく迎える人間なんていません。だから、冷たくされて当たり前。あなただって、忙しいときにアポなしで知らない人が訪問してきて自分の時間が奪われたら、いい気はしないでしょう?時には冷たい態度を取ることだってあるはずです。それと同じです。


 断られることなんて当然だととらえ、断られても平気な顔で(できれば明るい笑顔で)何度も訪問できる上記のコンサル会社の社長のような人は、【2】の恩恵を授かります。ここに売れる人と売れない人との差が生まれます。


 ただ悩ましいのは現在のコロナ禍で、直接訪問しての営業が非常にやりにくくなっていることです。これに関してはZoomなどのオンライン会議システムを使ったり、メールや電話、時には手書きの手紙などを活用して、非対面での接触回数を増やす試みが求められます。

仲間を励まそう


 何度も訪問(あるいは接触)することは「熱心」だとポジティブに捉えられれば良いですが、「しつこい」とネガティブに捉えられることもあります。

 
 しつこいと思われたときに、冷たい対応をされ、傷つくような言葉を投げつけられたりすると、営業マンは挫折します。そうならずに、訪問し続けるには、やはり「人間力」が問われます。笑顔でかわしたり、冗談を言ったり、大真面目な顔で有用だと思われる情報を提供したり、時には受付の女性を味方につけたり。そういう人間としての総合力を問われる場面でもあります。これはなかなか教育できるものではないかもしれませんが、人間力を高める取り組みは、会社として継続的に取り組むべき重要なテーマです。


 ただ、教育することは難しくても、断られて元気を無くしている営業マンを認め、励ますことは経営者や上司の仕事です。

 お客様に断られたとき、営業マンは強烈な孤独感を感じるときがあります。タイミング的に必要ないから断られただけなのに、自分が全否定されたような気持ちになる場合もあります。こういうとき、経営者や上司がその状況を知ってあげているだけで、救われる気持ちになります。「断られて残念だったな。次、がんばろう」と声を掛けるだけで随分と元気になるものです。


 「甘やかしちゃダメだ。結果が出なければ、認めない」というスタンスでいると、恐ろしく士気が下がってくるので、注意が必要です。


 ザイアンスの法則の【3】についても意識的に取り入れることで、お客様の愛顧を得ることができます。お客様の話をしっかり聞きながら、共通点を探しましょうと先ほど言いましたが、共通点にからめて、自分の小さいときのことや、この職業に至るまでのストーリー、そして思いや信念、またはやりたいと思っていることを、少しだけ話してみてください。これらは自分の内面に関わることで、話すとあなたの人間的な側面が見えるので、相手からの好意を得るきっかけになるかもしれません。


 どんなにデジタルな世の中になっても、あるいはどんなに社会がWEB化しても、お客様から好かれる営業マンに仕事が集まることは、今後も変わらないと思います。

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