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印刷経営研究所のブログ

2021.05.07

印刷会社におけるマーケティング活動を実践する意味とは?

印刷会社はマーケティングを実践せよ 

 

 印刷会社は、パンフレット、チラシ、ダイレクトメール、ポスター、POPなどの印刷物の他HP制作などで顧客企業のマーケティング活動を支援する仕事をしていながら、自社のマーケティング活動に全く時間もお金もかけていない会社が多いのではないか、と感じます。


 それは、なぜか?


 答えは簡単。かつてはそんなことをしなくても、仕事が得られたからです。マーケティングのことも、その一部であるプロモーションのことも知らなくても、仕事はできたのです。しかし、これからは、自らマーケティング活動を実践し、そのうえで(自社の実績を活用して)顧客にもマーケティング、プロモーション戦略の提案ができる会社に生まれ変わらなければなりません。

 
 顧客のマーケティング活動を支援するためには、自社がマーケティングの実践者であり達人でなければいけません。医者の不養生では、この先、マーケットが縮小していく世の中で生きていくことは難しくなるでしょう。お客様はプロや専門家と仕事をしたいと思っています。アマチュアと仕事をしたくはありません。

 

 もちろん印刷のプロであるという自負があるでしょう。しかし、印刷のプロとして、間違いのない品質の印刷物を作るということは「普通にできて当たり前」という仕事になっています。それは前提条件であり、現在はそのうえで、どんな付加価値を生み出せるかという勝負に入っています。ここを見誤ってしまうと、いつまでも生まれ変わることは難しくなってしまいます。


 例えば、自動車が珍しかった時代は、馬よりも速く走り、曲がって止まることができれば、それだけで大きな価値がありました。かつ、壊れなければ尚良い。しかし現在は違います。壊れなく走って曲がって止まれることなど大前提で、そこにどんな付加価値を載せられるかで各社が競い合っています。そのとき、ユーザーである消費者は何を車に求めているかを調べ、想像し、新たな価値を生み出さなければ、売れない時代になっています。

言っていることとやっていることを一致させる

 「タニタ食堂」で有名なタニタという会社があります。この会社は体脂肪計やヘルスメーターなどを作る健康機器メーカーです。いわば、人々の健康増進しサポートすることがタニタという会社の目指すべきところです。

 
 健康増進を標榜するタニタの社員が不健康では話になりません。それこそ医者の不養生です。

 
 そこでまずは、自分たちが健康になろうと考えたタニタは、社員食堂のメニューを「健康志向」に変えたのです。カロリーや塩分控えめのメニューを投入したところ、脂肪が落ち、各種健康指標が改善する社員が次々と現れたそうです。そこでその社員食堂のメニューを本にまとめて発売したのが『体脂肪計タニタの社員食堂』です。

 
 この本は大ヒットし、その後、映画化されたり、食品メーカーとタイアップ商品を出したり、「タニタ食堂」というリアル店舗を出店したり、かなり大きくビジネスを広げました。それも「タニタ=(イコール)健康」というブランディングに成功したためです。健康をテーマにする会社が、自ら健康であることを実践し、結果を出したことにより、タニタという会社に「説得力」が備わったのだと私は思います。


 ブランディングという言葉を使いましたが、ブランディングとは、自分たちは○○であるという旗を立て、それを貫き通し、認知してもらう活動です。


 その時、○○が自分たちがやっている事業と一致していればしているほど、そのブランドは強くなります。平たく言えば、「言っていること」と「やっていること」を一致させることです。この一貫性が維持できている状態を「誠実である」と私は呼んでいます。ブランディングのためには、自分と顧客に誠実であることが大前提となります。


 印刷会社の仕事は情報を伝えることです。そしてその情報によって人々に行動を促したり、仕事や生活を便利にしたりすることです。


 印刷会社は、自ら情報を発信し、それによって人々を動かすことを実践する必要があります。具体的には、自らがマーケティングを実践し、顧客を引き付け、行動させる会社にならなければ「説得力」が出ないのです。説得力のない会社というのは、つまり「言っていること」と「やっていること」が一致していない不誠実な会社であるということです。


 顧客の商品のプロモーションを支援する印刷会社が、自らのプロモーションに力を入れず、結果も出していなければ、説得力はなく、仕事は減っていくことは避けられなくなると思います。


 また、ブランドは「約束」である、という捉え方もあります。例えば、いつ行ってもおいしい国産牛肉が食べられる、と評判の焼き肉店があったとします。このお店は常においしい国産牛肉を提供する、ということをお客さまと約束しているからこそ、店のブランド力が高まっていきます。この約束が守られていれば、美味しい牛肉を食べたいと思ったときは常にお客さまに想起され、来店してもらうことができます。加えて、遠くからもお客さまを呼び寄せることができますし、価格が他店より高くても問題になりません。


 一方で、この約束が守られず、質の悪い肉を一度でも提供してしまえば、ブランド力は低下します。お客さまはシビアですので、すぐに離れて行ってしまう可能性もあります。約束が破られれば、お客さまは裏切られた気持ちになり、ブランドは崩壊するのです。


 印刷会社がブランディング活動をする場合も同じです。単にロゴマークをカッコよくすることがブランディングではなく、何をお客さまと約束するか?が最も重要なことです。そしてその約束を全社員で守り続けていくことでブランドは強くなります。

 

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