「嬉しい状態」が欲しい
当たり前のことですが、お客様は印刷物が欲しいのではなく、印刷物を使うことによって得られる「嬉しい」状態が欲しいのです。例えばチラシで集客数が前年比150%になった！とかです。印刷会社はただ印刷するだけでなく、お客様がその印刷物をどのように使えば嬉しい状態を手に入れることができるのかを教えてあげなければいけません。
先日新しい美容院に入った時、担当の男性が受付けをする私の方をじーっと見ていることに気づきました。そして席に着いたとたん、「豊田さんが店に入ってきた時から拝見させて頂きましたが、こういう髪型にされるとより雰囲気が良くなりますよ」と提案してくれるのです。
今までの美容師さんは「どうされますか？」という御用聞き的アプローチだったので、少しビックリしました。しかし同時にとても感動しました。美容師は髪型の先生のはずなので、どんな髪型が似合うのか、なぜそうなのかをお客に教える必要がありますし、お客はそれを求めています。でもそれをする美容師はすごく少ない。皆、お客に合わせて無難に済まそうとしています。だからこそ、先生としてアドバイスしてくれる美容師に客は感動するわけです。
客は自分に似合う髪形を手に入れられれば嬉しくなり、また来ようと思うのです。家に帰ると妻が私の髪型を褒めてくれました。先生の正しさを改めて思い知ったのです。
話を印刷に戻します。印刷会社は、印刷物を使ったマーケティングの先生になることで、お客様に嬉しい状態を提供することが必要です。そのためにマーケティングを勉強し、マーケティングの実践者になることを私は薦めるのです。そこで得られた実践的なマーケティングノウハウをお客様に提供していくことで、真に付加価値を生み出す会社になれると思うのですがいかがでしょうか。
お客様と一緒に考える
お客様は悩んでいます。どうすれば、売上が上がるのか、お客様がたくさん来るのか、毎日毎日考えているのです。その方法を教えてくれる人を探し求めているのです。しかし、今までの印刷会社は、「安くしますから、見積もりさせてください！」というアプローチしかしていませんので、お客様側もマーケティングを相談する相手として見ていません。そこであなたの登場です。お客様の悩みを見抜き、その解決策を教えてあげるのです。
教えてあげたくても、分からない場合も多いかもしれません。そういう時は、いっしょに考える姿勢を示すだけも、お客様にとっては嬉しいことです。「分からなくても当然だから、いっしょに考えてよ」とお客様は思っているのです。
先日、ある知り合いのリフォーム会社の社長と話していた時に、
「チラシを2案作っていて、印刷会社の営業マンにどっちがいいと思う？と聞いたら、『いや～、どっちでも･･･』と言うのです。これにはガッカリしました。こっちは正解が知りたいのではなくて、いっしょに考えて意見をもらえればそれで嬉しいのですけどね」と言っていました。お客様はこういうニーズを持っているのです。
印刷会社は、マーケティング面に限らず、あらゆる情報の伝達を支援することが重要な役割です。企業から人へ、人から人へ、伝えたいメッセージを、伝わりやすい言葉で、デザインで、伝えることを支援する使命を負っているのです。紙を消費することが仕事ではないのです。
お客様企業の商品が、自分の提案した販促物によって売れ始めた。
お客様は大喜び。次はどんな手を打つべきかとあなたに相談してくる。こんなにワクワクすることはないですよね。
そんな印刷会社になるために、是非、マーケティングについてはしっかりと勉強し、実践して欲しいと思います。
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1日目 マーケティング基礎研修（2時間）
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